そもそも科学とは何か?と考えたいと思い手にとりました。
この著書は「科学史」「科学哲学」「科学社会学」の三部構成。
第一部は科学史。
古代ギリシアの話が中心となります。
その古代ギリシアの知識はアリストテレスに集大成され、16〜17世紀にはコペルニクスやニュートンらによって科学革命が起こり、19世紀半ばで社会制度としての科学が成立したという話。歴史が好きな人にとっても面白い内容だと思いました。
第二部は科学哲学。
「仮説演繹法」「決定論的自然観」「論理実証主義」「反証可能性」「パラダイム論」などが出てきて難しい内容だと感じました。
その中で、個人的には「反証可能性が髙ければ高いほど、その仮説は科学的。反証可能性こそ、科学理論が備えるべき美点。反証可能性を持たない仮説は、世界のあり方について何も語っておらず、ひいては非化学的である。」
という「反証可能性」の考え方が好きです。
第三部は科学社会学。
「科学技術」の話が印象的でした。
今では当たり前に使われている「科学技術」という言葉ですが、もともとは「科学」と「「技術」は相いれないものだったそうですが2つの大戦によって融合し始めたそうです。
それにより「ビッグサイエンス」となり大きなお金が動くようになった現象も面白いと思いました。
地球環境問題に対して人々の注意を喚起し、先駆的な警告を行ったとして「レイチェルカーソン」の「沈黙の春」についても書いてあります。これらにより科学技術の根本的な見直しが始まったそうです。
そして、環境汚染や化石燃料の蕩尽をはじめ、未来世代負の遺産を押しつけるような問題は、一般に「世代間倫理」の名でよばれているそうです。
また、アメリカ先住民の「大地は子孫がかしてくれたもの」という格言を紹介してくれています。
この考え方、大事だと思いました。