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ジャガイモ

ジャガイモはトウモロコシ、コムギ、コメに次ぐ世界第4位の生産量である作物です。

生態

ナス目ナス科多年草植物

ジャガイモの品種は多く、5000種類とも言われています。日本だけでも100種類以上あります。

食べる部分は根っこに見えますが地下茎(塊茎)になります。

花の色は品種によって白、赤、紫色で5弁の花が咲きます。


花が咲きタネを残す事もありますが、一般的に種芋(塊茎)を植えて繁殖する栄養繁殖をします。
栄養繫殖で繁殖された作物はすべて同じDNAなので単一の病気で全滅してしまう危険性があります。1800年代のアイルランドではジャガイモが疫病でほぼ全滅し、100万人以上が死亡したという歴史もあります。
 

歴史

原産地は南米アンデス
紀元前にインカ人が栽培していたと言われています。
大航海時代にヨーロッパに入ってきて、イギリスでは200年も家畜飼料として使われていました。
日本に入ってきたのは1600年頃。オランダ船よりジャガタラ(現在のジャカルタ)経由でもたらされたのが名前の由来とされています

流通

(旬)
2月~3月頃、九州の新じゃがが出始めます。そこから暖かい産地から出荷されていき、
最大産地の北海道(78%ほど)は9月以降の収穫で翌年の春まで貯蔵されます。

(国内の主な産地)
北海道、長崎、鹿児島

(世界の主な産地)
中国、インド、ロシア、ウクライナ、アメリカ
※植物防疫法により生のジャガイモは輸入されません。

(品種)
生産量では加工用の「コナフブキ」が最も多いです。
青果用ではホクホクした食感が人気な「男爵」が一番多く、芽が浅く煮崩れしにくい「メークィン」がそれに次ぎます。
暖地に強い「ニシユタカ」「デジマ」も生産量が多いです。

近年では男爵よりホクホクしていて煮崩れしやすい「キタアカリ」。
アントシアニンを含んでいる「キタムラサキ」「シャドークィーン」「ノーザンルビー」も人気です。

栗のように甘い「インカのめざめ」も人気があります。インカのめざめが小ぶりなのは2倍体(他の品種はだいたい4倍体、野生種は2倍体)だからだそうです。

ポテトチップス用には「トヨシロ」「ワセシロ」が使われます。

マクドナルドのポテトは「ラセットバーバンク」という品種で大きくて糖分が少ない品種です。

他にもジャガイモには多くの品種はがあり、流通される品種も増えてきています。

保管は10℃で通気性の良い場所が適しています。緑化を防ぐため日光や蛍光灯の光は防ぐようにします。

春先は九州産の新じゃがが出てきます。これは皮が薄いので皮ごと食べられます。
小ぶりなものでも丸ごと使えるので使いやすいです。

一方、この時期の北海道産のジャガイモは熟成されているので甘くて美味しいです。しかし、暖かい所に置いているとすぐに芽が出るので要注意です。


栄養

・ビタミンC、ビタミンB1、カリウムなども含まれていて「大地のりんご」とも呼ばれる事もあります。
さらにこのビタミンCはデンプン質に包まれているため加熱しても壊れにくいのです。
・「クコアミン」という血圧を下げる効果がある物質が含まれています。
・胃腸を丈夫にしてエネルギーを補給する効果もあると言われています。
・食物繊維も豊富です。
といった有益な情報も多いですが、ジャガイモは糖尿病のリスクを高めるという報告もありますので糖尿病の可能性がある人は控えた方がいいかもしれなせん、
特にポテトチップス、フライドポテトは健康に悪い食品の代表なので要注意です。

また、芽や緑になった部分にはソラニンやチャコニンなどのグリコアルカロイドという有害物質が含まれています。

食べ方

焼く、ゆでる、蒸す、つぶす、油料理など、多岐にわたります。

ジャガイモは主食としても副菜としてもオヤツにしても優秀な野菜と言えます。

参考文献

小学館の図鑑NEO野菜と果物(小学館)
もっとからだにおいしい野菜の便利帳(高橋書店)
野菜まるごと大図鑑(主婦の友社)
野菜の秘密(ジルデイヴィーズ著 西村書店)
花からわかる野菜の図鑑(亀田龍吉著 文一総合出版)
世界史を大きく動かした植物(稲垣栄洋著 PHP)
野菜の秘密(西村書店)
世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事(津川友介)
日本の品種はすごい うまい植物をめぐる物語(竹下大学著 中公新書)