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食のパラドックス(スティーブンRガンドリー)

植物にとって人間を含めたすべての捕食者は敵である。食べられないようにするための戦略の一つとして有害な化学物質を使っている。

その有害な化学物質「レクチン」の危険性をこの著書は特に指摘しています。(「グルテン」もレクチンの一種です。)

レクチンは動物の腸、脳、神経末端の間、関節、あらゆる体液、血管壁などに含まれる糖分子である「シアル酸」と結合する。
それによって細胞間の連絡を阻害したり、炎症などの有害な反応を引き起こし、ガンを含めた多くの病気を引き起こす可能性を持っているそうです。

そんなレクチンを含んでいたり、他にも様々な理由から著書が推奨する食べてはいけない食品、食べて良い食品は以下の通りです。

食べてはいけない食品
・玄米・パン(特に全粒粉)・パスタ・蕎麦・シリアル・ジャガイモ・砂糖・豆類全般(もやしもダメ)
・豆腐・枝豆・ピーナッツ・カシューナッツ(ナッツではない)・チアシード・トマト・ナス
・キュウリ・かぼちゃ・メロン・トウモロコシ・ローカロリー飲料 など

食べて良い食品
・アボガド・ナッツ全般・栗・ココナッツ・オリーブ・ダークチョコレート・海藻類・キノコ類・アブラナ科の野菜
オクラ・タマネギ・葉菜類・サツマイモ・さといも・こんにゃく・柿・味噌・キムチ など

一般的に健康食とされている全粒穀物や大豆がダメというのには驚きです。

精米した方が良い(レクチンを取り除けるから)という視点は今まで聞いたことがなかったので面白かったです。

大豆においては、国立がん研究センターHP内の「多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果報告」
でも、総大豆食品摂取量が多いと、膵がん罹患リスクが高くなると書いてありました。

ただ、非発酵性大豆食品(豆腐類、高野豆腐、油揚げ、豆乳)摂取において膵がん罹患リスクが高まるが、発酵性大豆食品摂取(納豆、みそ)において関連はみられなかったそうですので、やはり大豆でも味噌や納豆などの発酵食品は優秀だと思いました。

それにしても、この食事法は食べてはいけないものが多すぎて実践が難しそうです。

実際にこの食事法を実践している人をグーグルで検索してみたところ、「体調が良くなった」と書かれている人もいましたが、「実践するのが難しい」という声が多かったです。
実践してみたところ、エネルギー不足になってカラダが動かなくなったと書かれている人もいました。

試してみる価値はあると思いますが、レクチンを恐れるあまり、有益な栄養を摂取できなくなる可能性も考えられると感じました。

レクチンについては危険の可能性を頭に入れておきながらも過度に危険視せず、自分の生活に合った部分だけ取り入れるのがいいのではと思いました。