
そのころ、日本の最低賃金が少し増えた。
「最低賃金が上がったから給料を増やしてください。」と女性牛飼いさんに交渉すると、
「農業は特別やからいいんや。」と言う。
そうだったのか?
調べてみると、確かに農業には労働基準法が適用されない項目があるようだ。
そこには、「農業では残業手当を与えなくてもよかったり、休憩を与えなくてもよかったり、休日を与えなくてもよかったりする場合がある」と書いてあったが、
「最低賃金は守らなければならない」
とも書かれている。
女性牛飼いさんは勘違いしているようだ。
そう思い、それを説明した。
でも、「そんなことはない!農業は特別や!」と信じてくれない。
ここで働くのが少し嫌になってきた。