その日は友達の家で、
「すごい雨やな~」
と言いなが就寝した。
朝4時に電話が鳴る。和牛農家さんからだ。
「大変や!!!!」「牛が水につかってる!!!!」「助けにきて!!!!」「早く来て!!!!!」
普段は30分で行ける場所だが、土砂崩れと冠水、道路の崩壊による通行止めが多数あり、2時間かかった。
牧場は湖になっていた。
和牛農家さんの親戚も集まって、1日かけて牛を助けた。
他の地域の被害はどうなのか?
次の日は農業法人に行った。
そこでは農場長が従業員が音信不通だと慌てていたが、出荷の心配も頭から離れないみたいである。
「物流も止まっているので、間に合うわけありません」
と提案したら諦めてくれた。
音信不通の従業員は後日、何事もないかのように出勤してきた。
災害の影響は大きく、近くの集落は悲惨な状況、土砂崩れや流木で全壊した家や土の中に埋まってしまった車も多数あった。土砂崩れに巻き込まれて亡くなった人も。
田んぼも土砂が入って泥だらけ。
そんな田んぼの稲刈りの手伝いもした。
石やドロが詰まって機械がすぐに止まる。収穫できたものも泥だらけ。
そんなことをしていると、被害の少ない定年後農家さんの所に行くタイミングを逃してしまった。
さすがに定年後農家さんの機嫌も悪くなってきた。