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炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限から見た生命の科学(夏井睦)

ご飯などの炭水化物、糖質を否定する話。

「人はもともと肉食動物」

「肉や魚などのタンパク質消化にいいがご飯や麺類はいつまでも胃の中に留まっている」

「血糖をあげるからダメ」「炭水化物がなくても糖新生で作りだせる。」

「脳のエネルギーはブドウ糖でなくてもケトン体も利用できる。」

と色んな角度から炭水化物を否定しています。

個人的には明らかに現代人は炭水化物を取り過ぎだと思うので、糖質制限をして体調は良くなるというのは確かだと思いますが、少し極端な論調だと思いました。

逆にタンパク質、脂肪はオッケーだと書かれていますが、少し危険な考え方だと思いました。

参考文献を見る限りはエビデンスに乏しく「化学朝日」という雑誌に掲載された「狩猟採集民は農耕民より長寿」という論文も紹介されていましたが、調べてみたらこれは専門誌でなくて一般向けの雑誌で信憑性が低いと感じました。

しかし、「あとがき」で著者は「仮説を大胆に展開している。」「根拠のない仮説を書くべきでないと反感を持たれる方もいるだろう。」「魅力的な仮説を思いついた科学者はそれを公開すべきであり・・・複雑に入り組んでいる現実世界から真実を見出そうとするなら、仮定と仮説に基づいた思考実験は絶対に必要なのだ」

と著者も根拠に乏しいと思いながら仮説を公開することに価値があると思って出版されたようです。

この考えはすばらしいと思いました。

著書の中では本題から少しそれた「細胞内共生」「農耕の起源」の話が面白かったです。