ブラック系?農業法人の章アフターストーリー⑦~農場長「死」について考える~
のつづき
「第四章 ブラック系?農業法人の章⑭最終話」~こうして就農するのをやめました~
のその後の話です。
野菜売りの仕事をしながら某農業法人でのアルバイトは続けていました。
そこで見たものは?
それから3年の年月が流れました。
僕は野菜を販売する仕事が忙しくなって農場にほとんどに行けなくなりました。
どうしても人出が欲しい時にはお願いされて働く事があります。
ついでに農場の近況を確認します。
強面のおじさんは大人しくなって、たんたんとタマネギの皮むきをしています。
新規就農希望者は入れ替わり入ってきたり辞めたりしているようです。
四捨五入ができない若者は友達を呼んできて、おしゃべりしながら楽しそうに働いています。自転車通勤しているのでバイクはまだ買えないみたいです。
高齢者の人たちは、おばあさんが畑で一人で倒れていたという事件はありましたが、あれ以来死人は出ず、みんな継続して働いています。
そして、農場長の部下に正社員が入ってきてました。
親会社のお弁当工場方の社員だったのですが、昔から農場の仕事を希望していました。その念願が叶ったようです。
そして、なんと!全農場で唯一の黒字農場だという事で表彰されていました。
収益のほとんどはタマネギの皮むきなのですが、、、
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それからまた1年後、
僕はもっと忙しくなって完全に農場に行けなくなりました。
野菜売りの仕事中、電話がかかってきました。
農場長からです。
「私、転勤する事になりました。東北に行くことになりまして、、、」
「東北?左遷ですか、、いや、あれですね?」
「そうです。あれです。」
農場に行かなくなったのでニュースで会社のプロジェクトの事を知っていました。
「栄転ですね!」
この農場長は有能だったのかもしれません。
ちょうどいいタイミングだったので僕もこの時に退職する事を伝えました。
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その少し後、噂が流れました。
農場の母体であるお弁当工場がこの地域から撤退するという噂です。
「いよいよこの会社も終わるのか。」
「農場はどうなるんだろう?」
ネガティブな想像しました。
僕はもうここの従業員ではなくなったので詳しくは分かりませんが、お弁当工場は本当に撤退して連携している会社が入っているようです。
農場の方はまだ続いています。
しかし、タマネギ畑は見る限りうまくいっていません。
やはり農場長は有能だったのかもしれません。
おわり
