のつづき
「第四章 ブラック系?農業法人の章⑭最終話」~こうして就農するのをやめました~
のその後の話です。
野菜売りの仕事をしながら某農業法人でのアルバイトは続けていました。
そこで見たものは?
強面のおじさんは農場長と険悪な関係になっても仕事を続けています。
最低限の給料はもらえるようになったのでこれ以上この農場を変えるのは諦めたようです。
そうしているうちにまた従業員が増えていきました。
今度は若い新規就農希望者が入ってきました。昔の自分を見ているようで懐かしくなりました。
彼も初めは農場長を慕って色々学んでましたが、次第に農場長の悪口を言うキャラに変わってしまいました。
どうやらこの農場長は人に嫌われる才能があるようです。
彼は農場長に不満を持ちながらも無事2年間勤めた後、独立して農業をしました。
しかし、彼のようなケースは稀で、その後も新規就農希望の人が何人か入って来ましたが農場長とケンカして辞めてしまいました。
農場長も個性的なのですが、新規就農を志す若者たちもまた個性的な人が多くてなかなかうまくいきません。
他には地域の仕事のない若者が入ってきました。
家庭の事情でほとんど学校に行ってないようです。
「バイクを買いたい!」という目標があって一生懸命働いていましたが、問題がありました。
漢字が書けない、。九九ができない。四捨五入ができないのです。
漢字が書けなければひらがなで書いたらいい。
九九ができなかったら計算機を使ったらいい。
ですが、四捨五入ができない事に一番手こずりました。
タマネギの皮むきの作業量の平均値を出すのに計算機で出た数字の「小数点第二位の四捨五入」をしないといけないのですが、それができません。
強面のおじさんが毎日、大声で説明していましす。
「四捨五入なんやから4以下は捨てて5以上は入れるんや!!何回言ったら分かるんや!!!」
一生懸命教えてましたがなかなか覚えませんでした。
なので結局、一番安定した労働力は高齢者のおじいさん、おばあさん達でした。
この人たちは文句を言いながらも黙々働いてました。
他にも障害者雇用の枠で障害者の人も働いていました。
軽度の障害の人なので問題なく、おじいさん、おばあさん達と同じように文句を言いながらも黙々働いていたのですが、、、、
そんな事になるとは思いませんでした。
ブラック系?農業法人の章アフターストーリー⑤~従業員の死~につづく
