強面のおじさんはとても偉そうで風格もありました。
初めて農場に来られるお客さんには社長だと間違われるほどです。アルバイトなんですが。
しかし、偉そうなだけでなく実力も兼ね備えていました。
強面のおじさんは農場長の右腕のような立ち位置になって、タマネギの皮むきの事業をどんどん改善していき、出荷量も大幅に増えました。
そんなある日、ビニルハウスで農場長と強面のおじさん二人で何か作業をしていました。
面白そうだったので覗いてみると、堆肥作りをしているようです。
タマネギの皮むきで捨てられるタマネギの残渣を堆肥化する実験をしていました。
興味があったので、その仕事は僕が担当させてもらうことになりました。
それも一応は成功して、タマネギの皮むきで出る残渣の廃棄代を利用することに成功しました。
そんな感じで、この農場はうまく回るようになってきました。
そして、強面のおじさんはつぶやきます。
「この農場もだいぶ良くなった!今度は労働条件やな…」
嫌な予感がしました。