
「じゃあ、クビです。」
と宣告して農場長はタマネギ小屋を出て行きました。
数十分後、一枚の紙を持って戻ってきた。
「これにサインしてください。」
それは退職届だった。
アルバイトとはいえ、簡単にはクビにする事はできないので自分から辞めると言ったことにしないといけない。
僕でもその程度のことは知っていた。
別に辞めてもよかったが、腹が立っていたので嫌がらせをしたくなった。
「自分から辞めると言ったわけでもないのに、これにサインするのはおかしくないですか?」
とサインを拒否した。
「、、、、、、、」
沈黙の後、
「出直してきます。」
と農場長はまた出て行った。
しばらくして戻ってくると無言でタマネギの皮むきを始めた。
余計なことで時間をロスしてしまったので必死に皮をむいていた。