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「第四章 ブラック系?農業法人の章⑫」~「クビの宣告」~

いくら僕がタマネギの皮むきが早くても、作業員はほぼ僕と農場長の二人だけ。

人手不足でタマネギの皮むきが追いつかなくなってきた。

作業がどうしても間に合いそうにない日が出てきた。

農場長は焦っている。

「パンチィーさん、明日はコンビニのバイトは何時までですか?」

農場長は僕のスケジュールを知っている。

いつも夜中12時までのバイトが、その日はたまたま夜の10時まで。

それを伝えると、

「では、明日は朝の4時から来れますね。よろしくお願いします。」

とお願いされた。

無茶苦茶な要求にイラッとしたが、了承しました。

次の日、10分遅刻してしまった。

農場長が先に来てタマネギの皮むきをしている。

そして、ボソッと

「遅刻ですね。」

と言われた瞬間、僕の堪忍袋の緒が切れた。

「農業の仕事がしたいのに、毎日毎日タマネギの皮むきなんてやってられへんわ!」

少し間をおいて、

「じゃあ、クビです。」

冷たい口調でと宣告された。

「第四章 ブラック系?農業法人の章⑬」~退職届~につづく