いくら僕がタマネギの皮むきが早くても、作業員はほぼ僕と農場長の二人だけ。
人手不足でタマネギの皮むきが追いつかなくなってきた。
作業がどうしても間に合いそうにない日が出てきた。
農場長は焦っている。
「パンチィーさん、明日はコンビニのバイトは何時までですか?」
農場長は僕のスケジュールを知っている。
いつも夜中12時までのバイトが、その日はたまたま夜の10時まで。
それを伝えると、
「では、明日は朝の4時から来れますね。よろしくお願いします。」
とお願いされた。
無茶苦茶な要求にイラッとしたが、了承しました。
次の日、10分遅刻してしまった。
農場長が先に来てタマネギの皮むきをしている。
そして、ボソッと
「遅刻ですね。」
と言われた瞬間、僕の堪忍袋の緒が切れた。
「農業の仕事がしたいのに、毎日毎日タマネギの皮むきなんてやってられへんわ!」
少し間をおいて、
「じゃあ、クビです。」
冷たい口調でと宣告された。