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「第四章 ブラック系?農業法人の章⑨」~正社員に誘われる~

農場長は、ここの農場だけでなく、車で2時間ほど離れたもう一つの農場の農場長もしていた。

とても大変そうである。

従業員がいっきに辞めてしまって手不足だそうだが、農場長は

「出世するチャンスなんです」

と前向き。

僕もその農場で助っ人として働く事もあった。

この農場は丹波の農場と比べると面積が10倍くらい。大きな機械もある。

ここでもビニルハウスでは葉物野菜、露地では人参を収穫していた。

そこの従業員たちと一緒に情報交換しながら仕事をした。

「そっちはどんな感じ?」

とさぐりを入れる感じで話しかけられる。

「毎日、農場長と従業員がケンカしてます。」

「やっぱり!ここでもうまくいってないので、そっちでもうまくいくはずない!」

その帰り道、農場長に「正社員になりませんか?」と誘われた。

この会社は人手不足なので、一つの農場は僕に任せたいそうだ。

賃金はとても安い。悩んだ。

「給料は安いけど、元々お金で選んだ道でもない。」

「休みもほとんどないけど、初めからその覚悟で農業の道に進んでいる。」

「企業の方が大きなことができて面白そう。」

「別に雇われて就農するのもいいか。」

と考えることもあったが思い留まった。

「第四章 ブラック系?農業法人の章⑩」~タマネギの皮むきの才能~につづく