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「第四章 ブラック系?農業法人の章⑥」~水菜の収穫と2人のおばあさん~

2人のおばあさんがビニールハウスで水菜の収穫をしていた。

ここの農業法人は有機農業で栽培していて除草剤は使えないので、畑を耕した後、透明の「マルチ」というビニールを敷いて太陽熱によって除草をしてから種を撒き、毎日水の管理などをして育てている。

ですが、それは近所の有機農家さんに委託作業をしてもらって収穫だけ自社でしている。

「今日は何時間で何パック作れましたか?」

僕が集計したデータを片手に農場長は尋ねる。

「なんでこんなに遅いのですか?」

どうやら農場長の計算より作業が遅いようだ。

口調が荒くなってくる。

「どうして言った通りのやり方でしないのですか!?」

どうやら農場長がもっとも効率が良いと考えるやり方と違うやり方で作業をしていたようだ。

「言われたやり方はやりにくいんや!」

一人のおばあさんは言い返す。

あまり円満な関係ではないようだ。

その日はそのおばあさんのグチを聞きながら水菜の収穫作業をした。

もう一人のおばあさんはかなり高齢で耳が遠いようで黙々と作業していた。

「第四章 ブラック系?農業法人の章⑦」~除草作業と1人のおじいさん~につづく