「どんな仕事がしたいですか?」
「僕は将来独立して農業したいので、仕事しながら色々学びたいです。」
「それなら経営に関わる仕事がいいですね。」
そうして、仕事内容は事務仕事と畑仕事を半々することになりました。
朝6時に出勤して、前日の農作業とタマネギの皮むきの日報を回収し、パソコンに打ち込みます。
それを本部に送信して、本部からのメールもチェックします。
それから野菜の受注を確認し、出荷リストを作成し、従業員の作業日程も調整します。
他には備品の発注や経費の入力などもあります。
「稟議を提出するので、このデータをまとめてください」と頼まれた時は、「稟議ってなに?」と思いながらデータをまとめました。
とにかく、アルバイトにこれだけの仕事を任せても大丈夫?と思うほど、仕事を任されました。
どうやら、こちらは勉強がしたい。向こうは安い賃金で最大限働いて欲しいという利害が一致していたようです。
給料は最低賃金(当時は776円)でしたが、これまでお金を払って働いたり、タダで働いたり、最低賃金以下で働いたりしていたので、それらに比べると最高の環境でした。
さらに、ここはお弁当工場なので、そのお弁当が従業員価格で食べられたのはとても助かりました。
「ブラックと名高いけど、大したことないな。」
その時はそう思いました。
昼食を食べた後は屋外で畑仕事。
2人のおばあさんと1人のおじいさんが畑仕事をしていました。