病気で寝たきりになっていた女性牛飼いさんのお父さんがとうとう亡くなった。
親が死んでも牛のお腹は空くので、もちろん仕事は休めない。
生き物を育てるのは大変。
女性牛飼いさんは亡くなったお父さんに対して「早よ死ね早よ死ねと思ってたけどやっぱり死んだら悲しいわ。」と言っていた。
色々あったようだ。
同じ時期に僕も祖母が亡くなった。
祖母はありがたいことにそれぞれの孫にお金を残してくれていた。
僕はその頃、農産物流通の仕事を始めており、そのお金で仕事用の車を買い変えた。
それを見て女性牛飼いさんは「ええなー。儲かってるなー。ええなー。」と言ってくる。
その頃の僕はまだ高金利の借金がたくさんある状態で、年に3日くらいしか休んでいない。
それなのに借金が増えていくというギリギリの生活。
そう言っても信じてくれない。
車を見るたびに言ってくる。「儲かってていいなー」
嫌な感じになってきた。