ある日、仕事に行くとダンボールが置かれていました。
中を見ると子猫が3匹入っていました。捨て猫です。
「ここにはたくさん猫がいるから3匹増えても一緒だろう」と、無責任な飼い主の仕業だと思われます。
仕方がないので、女性牛飼いさんは引き取って育てることにしました。
こうしてまた猫が増えていきました。
それに加えて猫が多すぎて避妊が間に合わないため、どんどん子猫が生まれ、さらに猫の数が増えていきました。
数えるのも面倒になりました。
しかし、女性の牛飼いさんはすべての猫に名前をつけてちゃんと覚えていました。
もちろん、本業である100頭くらいの牛の名前も全て覚えています。
彼女は動物が好きなのでしょう。
そんな中、僕はうんこ運びの仕事が終わり、ひたすら草刈りをする仕事を与えられました。
自分の背を超えるほどの草たちが相手でした。
前回いつ刈ったかと聞くと、1年前だそうです。
牧場というものは人里から少し離れた場所にあるため、草がボーボーになっていても文句を言う人がいないので、草は伸ばし放題だそうです。
しかも、この牧場は山際にあるため、急な斜面が多いです。
こうして僕は草刈りの技術だけは磨かれていくこととなりました。