注目キーワード

「第二章 のんびり定年後農家の章②」~お金のない世界~

タダ働きする理由

それは、自分たちの田んぼの管理をしてもらうことが引き換えだった。

タダで働く代わりに自分たちの田んぼの田植え、稲刈りなどをしてもらう契約。

本来なら、耕うん、田植え、稲刈り、乾燥、籾摺りなどに必要な機械を持っていない農家はお金を払って委託してもらうのだが、それをタダでやってもらう代わりにタダ働きをしていた。

ブラジル人たちも同じように、田んぼをタダで貸してもらってタダで機械を借りてお米を作っていた。

僕だけは本当にタダ働きだったが、農業の勉強のためなので文句はない。

ただ、ここではあまり勉強にならなかったのが問題だった。

仕事したくて来ているのに、ほとんどが休憩やおしゃべり。

休憩のたびに菓子パンが大量に出てくる。

みんなで食べきれなくて余った菓子パンも、

「持って帰れ!持って帰れ!」

と全て与えてくれる。

給料がもらえない代わりに菓子パンがもらえる仕組みのようだ。

悪い有機農家さんのようにお金を取られることはなかった。

お金をもらえる事はないが食べ物はもらえるので、お金をあまり使わず生きていく事はできた。

お米を作っている農家なのに、菓子パンがもらえるなんて、おかしな話だが、、、

そんなある日、従業員のブラジル人が定年後農家さんの家に怒鳴り込みにきました、、、

「第二章 のんびり定年後農家の章③」~はじめての給料~につづく