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「第一章 悪い有機農家の章⑤」~わずか1カ月でリタイヤ。精神的にもお金にも厳しい研修生活~

有機農家のおじさんと弟子の女性との3人での生活になった。

集合は朝6時。 3人で朝食。 午前の仕事が終わったらマンションに帰って3人で昼食。 午後の仕事が終わったら買い出しに行って夕飯の支度をして3人で夕食。 おじさんの話が長いので解放されるのは夜の10時くらいに。

そして、僕の扱いも帰ってしまった研修生の女性と同じようになる。

何をしても怒鳴られる。すべて責任をとられる。人格否定する。「こんな風に育てた親が悪い!」と親を中傷する。 「お前なんかと友達になるなんてロクな友達じゃない」と友達を中傷する。一日中二人に口撃される状態に。

研修生の女性はこんな感じで追い詰められたんだな。

仕事内容はいつになっても草刈りと壊れたビニルハウスの片付け。農作物を見る事はいっこうにない。

弟子の女性と有機農家のおじさんはいつも二人でどこかに行くの一人で仕事をする。

有機農家のおじさんが帰ってきて仕事の進み具合を見る。

「仕事が遅い!」「お前は無能だ!」「ワシの若い時はお前の倍以上はできたぞ!」 という言葉を浴びせられる。

が、僕は怒られる事には慣れているので平気である。

だだ、何かある度に「お金を出せ」と言われるのは大変だった。

「苗代がなくてお米つくれないから貸してくれ!」「肥料代なくてお米つくれないから貸してくれ!」

農業できなくなってしまったら困るので言われるたびにお金を出した。

そうして借金はどんどん膨らみ、消費者金融もお金を貸してくれなくなった。

「あっ!もう無理だ」

とようやく気づいて辞める事にした。

「第一章 悪い有機農家の章⑥」~お金の行方と後日談~につづく