細菌、アーバスキュラー菌根菌(AM菌)資材が流行っているので読んでみました。
AM菌は昔、VA菌とも呼ばれていたのでこの本ではVA菌と表記されています。
植物の様々な科に見られる植物と菌類の相利共生は、
最も重要で最も理解されていない生物学的結びつきの一つだと書かれています。
その菌根菌は初期の陸上植物と共に進化したそうです。
植物が陸上に進出したときの土壌は栄養(特にリン)がが少なかったので、
寄生菌との関係を改善して栄養や水を獲得してもらう関係になったそうです。
よってすべての原始的な生物はVA菌根を持っていたという事になります。
菌根菌と共生しないアカザ科、ヒユ科、アブラナ科などいくつかは逆に進化の過程で共生する機能を失ったというのは面白く思いました。
ただ、菌根菌は植物の生育初期には阻害的な働きがあるそうです。
しかし、成長するにつれて菌根菌は重要な働きをするので、それは無視していいレベルなのかもしれません。
菌根菌と植物との共生関係としては
菌根菌は菌糸が広がり栄養素を植物体に輸送します。特にリンの吸収に重要な役割となるそうです。
菌糸は細いので、細かい土壌孔隙にまで伸びひろがることもができるそうです。
代わりに植物は菌根菌に炭素を供給します。
また、菌根菌は単一の宿主に対し多様な種が存在するそうです。
同じ共生菌である根粒菌と競合することはないとの事です。
この本を読んで
菌根菌資材がこれからどんな成果をもたらすかより楽しみになりました。