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農家はもっと減っていい 農業の「常識」はウソだらけ(久松達央)

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題名だけ見たら怒りを感じる農家もいそうなタイトルですが、国の食糧戦略として食糧を効率良く生産するためには農家はもっと減った方が良いという話が「第1章農家はもっと減っていい」に書かれています。

なぜ農業は淘汰、集約が進まないのか?

採算が合わなくなった米づくりを続ける人が多いのはなぜか?

一言で言えば「惰性」という表現がありましたがそうかもしれません。辞めるのって大変なので。

しかし、それを書いている著者は集約して大きくなっていく側ではない面積的には小さい小規模農家です。

そんな著者が書く「第2章淘汰の時代の小さくて強い農業」と「第3章小さくても売れる淘汰の時代の弱者の戦略」が個人的なみどころです。

この内容は農家だけでなく、自分のような小さな八百屋や他のスモールビジネスをしている人にも有益な内容だと思います。

「弱者には弱者が戦うべき土俵がある。」

と書いてありますが、自分が関わっている青果流通業界もさらなる大規模化が進んでいます。

だからこそスキマができてそこに需要があると思っています。

また「みじめな範囲を逸脱しない」というのもいい表現だと思いました。

「みじめな範囲」のビジネスは今の時代に合っていると思います。

あと、有機農家である著者が語る「第7章オーガニックというボタンの掛け違い」の中では「有機農業vs慣行農業の不毛な痴話喧嘩」と書いてありました。そんな不毛な痴話喧嘩には関わりたくないと思います。

著者は「オーガニック」と呼んでるものを別の言葉に置き換えると最もしっくりするのは「イケてる」ではないかと思います。と書いています。

自分はこれからも「イケてる」有機野菜を仕入れて販売していきたいと思っています。