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「第二章 のんびり定年後農家の章⑧」~ケンカ別れ~

稲刈りシーズンです。

災害を逃れた僕の田んぼの稲が実りました。

稲刈りは定年後農家さんと一緒にする約束でしたが、色々な仕事が重なってなかなか時間が合わないでいます。

そんなある日、お米の検査のアルバイト中に定年後農家さんと偶然出会いました。

「そんなところで何をしているんじゃ~!!!」

定年後農家さんはすごく怒って帰ってしまいました。

数時間後に電話がかかってきました。

「お前の田んぼを刈ったから取りに来い!」

言われた通り、私はお米を取りに行きました。

「これがお前の米だ!」

そこにはお米が3袋だけありました。僕の田んぼは30袋ほど収穫できる面積があります。たったの1割です。

「ふざけるな!!!」

僕も怒りました。

田んぼを返すと言い、二度と関わらないと伝えて、去っていきました。

しかし、冷静に考えると稲刈りの時間を合わせられなかった僕にも非があり、苗代、肥料代、機械代も払っていないことに気づきました。

行政に就農相談に行った時には、「農業の研修はタダ働きが当たり前です。」と言われたこともあり、これが普通なのか、怒りすぎたのか、と反省しました。

その後、定年後農家さんと再び偶然出会いました。

「悪かった。また来てほしい。」

と謝ってくれたので、仲直りしました。

しかし、また揉める予感がしたので、この農場で働くことは辞めました。

その後、この農場に悲劇が襲いました。

「第二章 のんびり定年後農家の章⑨(最終回)」~そして誰もいなくなった~につづく