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「第二章 のんびり定年後農家の章⑦」~豪雨災害~

前の日は友達の家で、気楽に

「すごい雨やな~」

と言いながら就寝しました。しかし、十分に寝ることができず、朝4時に和牛農家さんからの電話で起こされました。

「大変や!!!!」「牛が水につかってる!!!!」「助けにきて!!!!」「早く来て!!!!!」

普段は30分で行ける所なのに、土砂崩れと冠水、道路の崩壊による通行止めが多数あり、2時間かかりました。牧場は湖になっていて、牛の部屋も浸水していました。和牛農家さんの親戚も集まって、1日かけてみんなで牛を助け、一安心しました。

しかし、他の被害の状況はどうなっているのか分かりません。

とりあえず、次の日は農業法人の仕事が入っていたので、予定通り仕事に行きました。

そこでは農場長が従業員が音信不通だと慌てていましたが、出荷の心配をしていました。

「物流も止まっているので、間に合うわけありません」と答えたら、諦めてくれました。

音信不通の従業員は後日、何事もないかのように出勤してきました。

災害の影響は大きく、近くの集落は悲惨な状況で、土砂崩れや流木で全壊した家や土の中に埋まってしまった車も多数ありました。土砂崩れに巻き込まれて亡くなった人もいました。

田んぼも土砂が入って泥だらけで、そんな田んぼの稲刈りの手伝いをしました。もちろん、ほとんど収穫できず、石やドロが詰まって機械がすぐに止まります。収穫できても、泥だらけの籾になりました。

そんな中、幸い僕の家や田んぼや畑は無事でした。

自分は無事だったけど、近くの人達は苦しんでいるので、流石に僕も僅かな善意の心が目覚めて、ボランティアに行ったりもしました。

そんなことをしていると、定年後農家さんの所に行くタイミングを逃していきます。

よそばかり助けに行って自分のところに来ないので、さすがに定年後農家さんも機嫌が悪くなってきました。

「第二章 のんびり定年後農家の章⑧」~ケンカ別れ~につづく